京都国際平和構築センター2025年度評議会にて、明石康氏が挨拶 ― 国際社会の混迷の中で、平和構築の重要性を強調 ―(26/09/2025)

2025年、京都芸術大学瓜生山キャンパスにおいて「京都国際平和構築センター(Kyoto Peacebuilding Center, KPC)」の2025年度評議会が開催された。会合では、同センターの顧問を務める明石康・元国連事務次長が挨拶に立ち、国際情勢の不安定化が進む中で、平和構築に取り組む意義と責任を改めて強調した。

明石氏は冒頭、すでに紹介に立った長谷川祐弘理事長に言及し、「本センターは2019年の創設以来、5年以上の歩みを重ね、毎年新たな要素を加えながら着実に成長している」と述べた。その上で、「今年は徳山京都芸術大学理事長のご出席を得て、この瓜生山キャンパスで開催できたことを大変喜ばしく思う」とし、また「川口順子元外務大臣に初めてご参加いただいたこと、そして杉村美紀評議員が上智大学学長に就任されたことを仲間として心から喜びたい」と述べ、出席者への敬意と祝意を表した。

続いて、明石氏は世界情勢に言及し、「国際情勢はますます複雑かつ混迷の度を深めている。ニューヨークでは国連総会が始まったばかりであり、トランプ大統領の演説がさまざまな反応を引き起こしている」と指摘した。そして「創立80周年を迎えた国際連合が今後どのような方向へ進むのか、必ずしも希望の持てる道筋ではないのではないかという不安が拭えない。今年はそうした胸騒ぎを覚える記念の年でもある」と述べた上で、「そのことは同時に、我々の仕事の重要性と緊急性をより強く示している」と語った。

最後に、「限られた時間ではあるが、杉村学長のお話を拝聴し、皆様と討論を重ねることは、我々一人ひとりにとっても意義深く、本センターの今後の活動を考える上でも極めて重要である。本会議が実り多きものとなることを強く期待している」と結び、挨拶を締めくくった。

なお、この発言は本評議会における来賓挨拶として行われたものである。

式典の詳細はこちらからご覧ください。

(レポーター 井門孝紀)

明石康の挨拶文全文

 

長谷川先生からすでにご紹介の言葉があった。本京都国際平和構築センターは2019年に創設されてから、すでに5年以上が経過している。毎年新たな要素を加えつつ成長を続けており、その歩みは着実であると感じている。 今年は徳山京都芸術大学理事長にご出席いただき、この京都瓜生山キャンパスで開催することができたのは大変喜ばしいことである。また、本日は川口元外務大臣に初めてご出席いただいた。さらに、杉村評議員が上智大学学長に就任されたことについても、仲間の一人として心から喜びたい。 さて、国際情勢は私が言うまでもなく、ますます複雑かつ混迷の度を深めている。ニューヨークでは国連総会が始まったばかりであり、トランプ大統領の演説がさまざまな反応を引き起こしている。創立80周年を迎えた国際連合が、今後どのような方向へ進むのか、必ずしも希望の持てる道筋ではないのではないかという不安が拭えない。今年はそうした胸騒ぎを覚える記念の年であるとも言える。そのことは同時に、我々の仕事の重要性と緊急性をより強く示していると考える。 本日は限られた時間ではあるが、杉村学長のお話を拝聴し、皆様と討論を重ねることは、我々一人ひとりにとっても意義深く、また本センターの今後の活動を考える上でも大変重要である。本会議が実り多きものとなることを強く期待している。

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